反日と反米 2014 9 21

書名 日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う
著者 鈴置 高史  日経BP社

 最近、日本の新聞では、連日、
イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」のニュースを取り上げています。
これは、「中東が、大変なことになっている」という認識があるからでしょう。
 しかし、日本にとって、「大変なことになっている」のは、
中東ではなく、韓国です。
 日本の世論の大勢は、著者が指摘しているように、
「韓国のことは、ほっておけ」というものですが、
そうした無関心のせいで、
いつの間にか、韓国が大変なことになっていることに気づかないのです。
 韓国が、朴大統領になってから、
中国に激しく傾斜して、中国の属国になりつつある現状があります。
 韓国において、反日は仕方ないかもしれませんが、
それどころか、嫌米親中あるいは反米親中路線を、
朴大統領は推進しています。
 著者が言うように、
韓国では、公然と反米は言えないので、
方便として反日を使っている部分があるのです。
私が思うに、韓国社会の底流には、反米があります。
 このように書くと、多くの日本人は、
「それならば、韓国のことで困ったら、
宗主国である中国共産党指導部に頼み込んで、
黙らせろ」と冷たい反応をするでしょう。
 しかしながら、韓国が中国の属国になったということは、
中国の国境が、日本の対馬沖まで迫ってきていることを意味します。
私は、そういう可能性を何年も前から指摘していました。
 アメリカも、やがて、
「韓国のことは、ほっておけ」となるでしょう。
アメリカも頭に来ているからです。
 この本から気になるところを引用しましょう。
米国の朝鮮半島政策に大きな影響力を持つ、
ビクター・チャ・ジョージタウン大学教授は7月18日、
「このまま行くと米韓同盟は消滅し、
韓国は中国の一部に戻ることになる」と韓国紙で警告した。
 韓国の「二股外交」を見て取った米国は、2013年秋から、
国防長官、副大統領、国務長官、
最後にはオバマ大統領までが韓国を訪れ、
引きとめに全力を挙げていた。
だが、朴政権は、「離米従中」に突き進んだ。
(引用、以上)
 もうひとつ引用しましょう。
韓国は米国とハイレベルの軍事協議をした後、
情報機関のトップを直ちに北京に送り、
内容を中国共産党トップに報告するのだそうです。
 米軍の最高幹部が日本政府高官に漏らした話です。
中韓の国交正常化の直後から始まった「行事」だそうで、
米軍の最高幹部は、「我々は、それを知っている」と苦笑していたそうです。
(引用、以上)
 このように危機を訴えても、
日本の世論は、やがて、
「韓国問題は、宗主国である中国共産党指導部に頼み込んで、
何とかならないものか」という方向に行くでしょう。
 それどころか、韓国問題で困ったら、
「中国共産党指導部の管理監督責任を問う」ところまで行くでしょう。

朝鮮自治区 2014 7 5

 最近は、日本では、韓国や北朝鮮のニュースが多くなっています。
さて、朝鮮半島の未来は、どうなるか。
基本的には、「朝鮮自治区」という方向です。
 将来、この自治区が成立したら、
政治的にも軍事的にも重要な地域なので、
北京からは、政治局員クラスの書記が、
朝鮮自治区の指導者として送り込まれるでしょう。
 最初に結論を書いてしまいましたが、
そうなる前に、多くの原因があります。
 私は何度も書いていますが、復習の意味で書きましょう。
太平洋を川に見立てると、朝鮮半島は、
中国から、どう見えるか。
 アメリカや日本という民主主義国家が、
朝鮮半島に「背水の陣」を敷いているように見えます。
 兵法の国である中国としては、
このような陣形は、なんとしてでも解消したいところです。
 ところが、韓国が、勝手に中国に擦り寄ってきて、
このような陣形を弱めています。
 本来であれば、韓国に工作員を送り込んで、
韓国と日本を離反させ、
さらに韓国社会の底流に流れている反米にも火をつける必要があります。
 ところが、韓国では、
大統領自らが、このような工作員役を買って出るという状態になっています。
 そういうわけで、「朝鮮自治区」構想は、さらに加速するということで、
中国としては、実に望ましい状況です。
 朝鮮半島が、このような状況ですから、
中国は、「台湾省」の実現に向けて専念できるというわけです。
 日本人としては、反日が「生きがい」となった韓国に対して、
北朝鮮以上に「困難さ」を感じているわけで、
「いっそのこと朝鮮半島が朝鮮自治区になって、
朝鮮半島のことは、中国共産党指導部が窓口になった方が、
まだ交渉しやすい」と考える人も出てくるかもしれません。

自滅外交 2013 5 26

書名 Newsweek 2013 5.28 ニューズウィーク日本版
     韓国の自滅外交 韓国「日本叩き」の代償
     歴史問題を口実に日本外しを目論む
     韓国「近視眼外交の末路」

 アメリカ戦略国際問題研究所の太平洋フォーラム研究員の
ミラー氏の記事を引用しましょう。

 それは「あり得ない」展開だった。
訪米した韓国大統領の朴槿恵が5月7日の米韓首脳会談で、
「日本政府は韓国植民地化の歴史を
十分に認識し、反省していない」と非難したというのだ。
 なんとも思い切った、
しかし、子供じみた発言である。
当然、日本にもアメリカにも困惑が広がった。
 それは、限定的であれ、
「日韓両国の関係改善を仲介し、
北朝鮮への対処で足並みをそろえたい」というアメリカの思惑を
踏みにじるものでもあった。
 韓国大統領のワシントン訪問に先立ち、
アメリカ国務省は、わざわざプレスリリースを用意し、
「アメリカは、この地域の国々、
特に同盟国である韓国と日本の強固で建設的な関係こそが、
平和と安定を推進し、
これら諸国はもちろん、
アメリカの国益にもかなうと信ずる」と強調していたのだ。
(引用、以上)
 日本のマスコミは、不思議なことに、
韓国大統領の訪米は大成功だったような論調で報道していましたが、
私は、「失敗だっただろう」と思っていました。
 「それは、あり得ない展開だった」
このセリフは、私も言いたい。
 私は、韓国における反日感情の高まりを心配していましたが、
日本における韓流スターの大活躍による「韓流ブーム」で、
日韓友好が盛り上がり、実に、よい方向に向かっていると安心していたのですが、
2012年の夏、当時の李大統領が竹島に上陸したことにより、
すべてが、ぶち壊されてしまったのです。
 しかも、李大統領が、日本の天皇に対して、
「日王よ、謝れ」と発言したと伝わっています。
 実は、これでも、ソフトな発言に変換されていて、
本当は、「日王よ、土下座しろ、謝れ」など、
下品な言葉を連発したということが、インターネットで広まっています。
すべては、2012年の夏に終わっているのです。
 ミラー氏は、こう書いています。
「韓国が元の立ち位置に戻るとすれば、
それは、韓国経済に何かが起きた場合だろう。
 経済の悪化で、ローン返済に苦しむ家庭が増えるといった事態になれば、
外交面で騒ぐ余裕はなくなる」
 私は、こう考えています。
数十年後には、中国の国境が、日本の対馬沖まで迫ってくる。
つまり、その時には、朝鮮半島は、中国の「自治区」になっているということです。
今後、韓国は、中国の属国化が加速すると思います。
 そういうわけで、Newsweekのタイトルである「韓国の自滅外交」は正しいのです。
そもそも、アメリカは、韓国を守る「経済的なメリット」はあるか。












































































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